AGA
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AGAとは?
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AGA(エージーエー)とはAndrogenetic Alopeciaの略で男性型脱毛症のことを指します。
AGAは思春期を過ぎた以降の男性によく見られる症状で、頭頂部から薄くなってくるタイプ、額の生え際より後退していくタイプ、これらを混合したタイプなどさまざまな脱毛パターンがあります。
原因はいまだ解明されていない部分も多いのですが、思春期以降に急激に増える男性ホルモンが大きく関わっていることがわかっています。 -
AGAの原因は?
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男性ホルモンのテストステロンは5αリダクターゼという酵素の働きによって、強力な脱毛ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)に変化し脱毛を誘発します。これがAGAの原因となります。
このDHTはテストステロンよりもホルモン活性が10~30倍も強い男性ホルモンで、毛乳頭のレセプター(受容体)と結合し、髪にとって有害なサイトカイン(免疫システムの細胞より分泌されるタンパク質)である「TGF-β」を生産します。
「TGF-β」は退行期誘導因子とも呼ばれるもので、正常な毛髪サイクルを阻害し、毛母細胞の活動を低下させます。
そのため、髪の毛は充分に成長しきる前に抜けるようになってしまい、また抜け替わる度にだんだん細くなって、頭皮が透けて見えるようになってしまいます。
また「カスパーゼ」と呼ばれる自殺酵素を活性化してしまうことによって毛母細胞の細胞死(アポトーシス)も誘発します。そしてDHTによって毛母細胞の活動が抑制され、栄養が必要ないと判断されて血流が低下すると考えられています。
また、男性型脱毛症を発祥する方は脂漏性(しろうせい)脱毛症を併発することが多いです。
DHTに刺激された皮脂腺によって過剰に分泌された皮脂が、毛穴の中にある古い角質と混ざり合って毛穴をふさいでしまい、髪の成長を妨げます。
さらに、皮脂の汚れによって頭皮に炎症を引き起こすと、それも抜け毛の原因になります。 -
AGAになるとどうなる?
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髪は成長期、退行期、休止期と呼ばれるサイクルを繰り返しています。
正常なサイクルにおいて、休止期に一旦抜け落ちますが成長期に再び活動を始めて太く長い髪へと成長します。
AGAになると、このサイクルにおける成長期が短縮され、退行期・休止期にある髪の割合が増大します。
毛髪サイクルは多くの形質転換因子(サイトカイン)に大きく影響を受けます。
中でも特に強力な退行期誘導因子として作用する「TGF-β」は髪の成長を阻害します。【AGAの進行】
1.ヘアサイクルが乱れ、毛包が細くなるミニチュア化現象が発生。
2.ミニチュア化が進行し、成長期に移行しない毛が増え毛髪数が減少する。
3.成長期にある髪が少なくなり、退行期、休止期の髪が増える。
4.髪の成長が不十分で、活動が休止してしまった髪が多くなり薄毛が進行。【正常時とAGA時の比較】
AGA時は、成長期が短く退行期・休止期の髪が増加します
割合 期間 成長期 正常時 85% 2~6年 AGA時 79%以下 2年未満 退行期 正常時 1% 3~4週 AGA時 1%以上 休止期 正常時 14% 3~4ヶ月 AGA時 20%以上 -
AGAは早めの対策が重要
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AGAは加齢とともに症状が進行し、毛髪数も加齢とともに減少します。
AGAの方の毛髪は、ヘアサイクルが乱れていて十分に成長しない髪が年々増加しますので、毛髪数を減少させるスピードも急速に早まっていきます。
これを放置していてもヘアサイクルが正常に戻ることはありませんので、早めの対策が効果的と言えます。
AGA・FAGA検査
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AGAと遺伝の関係
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AGAは、遺伝による要因というのが大きく影響し、家系的に薄毛になりやすい遺伝子を持っている両親からは高い割合でその子供(特に男性)に発症します。
しかし、この遺伝子があれば実際に薄毛になるというわけではなく、ストレス・食生活・生活習慣などといった環境による大きいため、生活習慣の改善や適切な対応によってAGAを予防したり、進行を遅らせることができるものと考えられています。 -
AGA検査で分かること
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男性ホルモンのテストステロンやジヒドロテストステロン(DHT)を受け取る受容体であるアンドロゲンレセプターの感受性の高さは、AGAの発症に大きく影響します。
DHTとアンドロゲンレセプターが結合すると、それが標的遺伝子と結合し症状を発現させますが、受容体を隠すように3次元構造の特殊なDNA配列があります。
その遺伝子はアンドロゲンレセプター(AR)遺伝子といい、毛乳頭細胞のX染色体に存在しています。AR遺伝子のエクソン1領域という場所にはシトシン(C)、アデニン(A)、グアニン(G)というDNAを構成する塩基が規則正しく繰り返して並んでいます。
そのことからそれぞれの頭文字をとって「CAGリピート」と呼ばれます。その繰り返し数によって男性ホルモンの感受性が高いか低いかを判別することが出来ます。
CAGリピートは8回前後~35回前後繰り返しているとされ、25,6回あたりが基準値となります。基準値より小さいと感受性が高いことになり、感受性が高い人ほどフィナステリド(プロペシア、メディグロー等の成分)が非常に効果的なので、服用し続けると劇的に治る可能性があります。
また、「GGCリピート」という繰り返し配列も存在し、CAGリピート数と合計することで若年期にAGAになりやすいかどうかも判定することが出来ます。
その2つの合計の基準値は38前後で、それより低いと早い時期にAGAになるリスクが高いとうことになります。この感受性は特に母方の遺伝子から引き継ぐところが大きく、母方の家系に薄毛が多く見られるとAGAを発症する確率も高くなるといえます。
また、母方より影響は少ないものの父方からも引き継がれるので、両親共に薄毛の家系であれば更にリスクは高くなります。
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